汐音の砂松原

松原 我が家中で
春はあけ行く かすみ山々
煌めく水面 春鳥の飛翔
彼方ふるさと 胸に残りし
旧き想いの 松の道
波音が舞う 弧の浜辺
浜に寄せる 潮騒の鐘
童が遊ぶ砂浜は 陽にひかり声溢る
夕ともなれば汐葺いて わが家へ戻らん
萌えたつ木々が 彩る山路やまじ
モミジが誘う 登り口へ
凍てつく海風しおが舞う 砂が打ち足跡をけす
春はまだ輝きだけ わたる気は凍徹に
あの日なくした 幾千の星よ
空に居ませ 我らの空に
時は過ぎゆく 明日へと
いずれ我が身も 届こうか
遙か想いさとよ 憧れをうけとめよ
其処そこ何処いずこなりや 記憶の果てにありき
波音が今は静かに打ち寄せる

毎年3月が近づくとざわつく心があります。

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