1969年にヤマハ(NIPPON GAKKI)から発売されたYC-10、YC-20、YC-30はケース一体型、スタンド収納タイプのコンボオルガンでした。
可搬性があるとはいえ相当な重量で(もっとも小型のYC-10でさえ24キロ弱ある)持ち運びはなかなか大変です。
上の写真に写るYC-10 はわが家に住んでいます。こいつは昔FUNAが在籍していた職場バンドの持ち物で、もう使わないからとバンマスから譲り受けたものです。音は出ないと言われ数年放っておいたのですが、少し前にひとまず内部の状態を確認しようではないかと思い、底面のネジを外し上蓋をあげてみました。ざっと見たところ電解コンデンサ上部の膨らみ、液漏れなどなく良好な状態に見えました。製造年月日がわかりませんが(おそらく後期型だと思われます)何十年もの時を経てきた楽器のはずです。
内部を見て驚きました。
配線の取り回し、結束がとても丁寧で非常に美しいのです。このオルガンは作り手が大切に組み上げた楽器なのです。
遠い昔、FUNAが子供時代、”内職”と呼ばれる在宅ワーキングが存在していました。持ち込まれた簡単な作業を家庭内で行いお金を稼ぐ事で、一般庶民の家庭であれば一度は経験しているかもしれません。そして、その中にハンダ付けの仕事もあったのです。電子部品の簡単な組み込み作業とか、ハンダ付けとかありました。子供も手伝い家族総出で1ヶ月頑張っても1~数万円程度にしかならない内職ではありましたが、高度成長時代の日本産業を支え、家計の足しとなっていたのでしょう。
このオルガンはYAMAHAの浜松工場で造られたMONOだと思われますが、もしかすると女性工員の方が組み上げているのかもしれません。ハンダ付けがとても上手な女性工員、配線も昭和のお下げ髪をまとめる様に丁寧に束ねて結束しています。
この時代の日本製のMONOは本当に素晴らしいと感じます。このオルガンも中を見ただけで切なくなるほど昭和で愛おしいのです。今まで隠していましたが実は、FUNA、”昭和”の追っかけ、ストーカーなのです。昭和って良いな。最高だな。
なお、次回は音を出してみます。
FUNA
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