佐原、小野川沿いでロケバスと出会う法

小野川忠敬橋 小野川界隈

この街では、1年をとおして映画、ドラマ、旅番組などの収録が多くおこなわれている。近年の動画サイトの躍進もあり、個人レベルの収録も日々気付かずにおこなわれているのだろう。

立地、風景、古びた町並み、水運集散地としての機能が残る河川景観、すべてが微妙に歪み、揺らぎ、現実世界の心地よさを感じることができる。川の左右に伸びる幅4m程の側道(川岸通り)は、川に面しては石積み土手が続き、所々に、船で運んできた荷を運び上げるため、幅4m程度の石の階段が川面までこしらえてある。

ひな祭りともなればその石段に木製の雛壇をおいて人形を飾るのだ。

川の両サイドは昭和、大正、明治時代を思わせる町並みとなっている。古さが程よく醸造され、人混みもたいしたことはないので、自由に心地よく町並みを散策し楽しめる一画となっている。

日本映画をよく見ていると、このあたりで収録したと思える場面が、数限りなく存在することに気がつくはずだ。

いつの年か、この川沿いを車で通りかかったことがある。道幅が狭いので一方通行になっている。時刻も夕に近づきあたりは薄暗くなってきた。川を左手に見てヤナギの下をゆっくりと走っていた時、前方右手より女性が2人歩いてきた。2人連れのやや前方を歩いていた女性を、車ですれ違いざま何の気なしに見上げると、

あれ!  あの人気有名美人で好感度も高い某女優さん!

あたりはどんどん薄暗くなってきて人の顔もよく見えないほどだった。しかし、その手入れの行き届いた御髪は肩の下までストレートにさらりと垂れ、歩くたびに絡まることなく揺れている。なんと!

も一度お顔をチラリと拝見すると、やはり某女優さんに間違いはない。すれ違った時間はほんのわずかではあったが、一般人とはまったく違う気配を感じる。

映画かドラマの収録できたのだろう。すれ違って数軒先の、誰も住まない旧い商家に灯りがともっていた。

この街に住み、彷徨い、惑っていると男優さん、女優さん、芸能の方にお会いする事があります。

そう、”この街でロケバスと出会う法”は、

この街に住み、街を彷徨い、惑い、大いに楽しむ事。

最後は偶然しかありません。

小野川の石段に飾られたひな人形
小野川の石段に置かれたひな人形  2013 3月撮影

funa

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