香取神宮の奉納菊花大会

香取神宮菊花 街歩歓楽

例年11月1日~11月24日までは香取神宮の奉納菊花大会が開催されます。

近隣の菊花愛好家方達の丹精込めた作品が、楼門の内外に華麗に秋を彩り飾られるのです。

菊ダルマ作り
2020年 11月 大菊 ダルマ作り 三本仕立て、全体が丸い
菊福助ジャンボ福助
2020年 11月 大菊 ジャンボ福助 福助(右奥)一本仕立て、頭でっかち
菊木付け盆栽
2020年 11月 小菊 盆栽木付け 
菊盆栽石付け
2020年 11月 小菊 盆栽石付け
菊直幹仕立て
2020年 11月 小菊 盆栽平植、直幹仕立てなど
菊懸崖
2020年 11月 懸崖大作り
菊懸崖静岡
2020年 11月 懸崖静岡型 

菊楼門右
2020年 11月 楼門右側
菊楼門左
2020年 11月 楼門左側
競技花管物
2020年 11月 楼門裏手左側
競技用菊アップ
2020年 11月 競技花
楼門裏手右側
2020年 11月 楼門裏手右側

いろいろありますね。日本独特の拵え(こしらえ)です。

一部咲いていない部分もあったりしますが、皆なかなかに可憐で、調和のとれた姿ではありませんか。

いろいろ見て回り、funaが一番気に入った拵えは

菊盆栽石付け2
2020年 11月 小菊 盆栽石付け

このような、石に付けた小菊の盆栽です。これチョット庭に置きたいですよね。いいですよねえ。作業机の端っこにミニチュアがあってもいいかな。

しかし、なにやらじーっと見ていると、石の尾根から盆の土まで根が石肌を這い、へばり付いています。

”何じゃ、こりゃー”

と、近くで作品のメンテナンス(不用意に伸びた枝を取り除き、あるときは誘導し、調和を保つ。枯れ葉も1枚ごと丁寧にもぐ)を行っていたおじさんに即座に尋ねました。

”この菊って、来年も咲くんですか?” (あれ?質問が違う!)

初手から自分が本当に知りたい核心を突いては、人生負けます。(そんなたいそうなことか!)

”咲かないよ!”

”そうですよね。菊って11月いっぱいぐらいまでですよね。”

”これね、つくるのに1年半かかるんだよ”

”えーっ!そんなにかかるんですか”

”1年半かけて咲くの今だけですか!”

”この菊、販売してたりするんですか?”

”売り物じゃないよ。”

”だって1年半かけてつくって大変じゃないですか。”

”石と盆は一生モンだし、何世代でも使えるし、後は菊の苗に少し掛かるかな。”

”道楽だよ!道楽”

”クラブとかあるんですか?”(何を言ってるんだ、funa!菊花愛好家クラブ?菊の花を誤解すると一寸ヤバい!)

”クラブじゃないけど集まりが、同好会みたいなのがあって。でも若い人全然いないよ。そのうち誰もやらなくなるんじゃないかな。”

”ことしはさあ、数が全然少ないんだよ。ほらそこの棚の下の段、飾ってないでしょう。例年だといっぱいになっているはずなんだけど。あちこちの菊花展中止になってるでしょう。”

と、関東圏で中止になった菊花展をいろいろ教えてくれた。世界的に猛威を振るっている感染症の影響なのか!

...じゃ、そろそろこの辺で...

”あの菊の根が長く石に這って、下の土まで届いているじゃないですか。どうやってるんですか?”

ここでやっと聞きたかったことを聞くfunaです。

”菊の苗をまず塩ビ管に入れて育てるんだよ。”

成る程、ピンポーン!単純明快な答えです。ヤマイモ方式なのです。

ヤマイモを長くまっすぐに育てるため、土中にパイプを埋めそのなかでイモを栽培し、収穫時にパイプごと掘り出せば途中で折れることもない。

菊の根はイモではないが、塩ビ管に土を詰め片側に菊の苗を植え付け垂直に立てて栽培、根への空気の通りも考え(塩ビ管に小さな穴でも開ける)、下側から水分を与えることで根が伸びてくるのでしょう。

”こんなのはね、まだいいけど、枝振りがね紛れるからね。あっちみたいな一本仕立てのヤツは、一の枝はこっち向き、二の枝はこっち、三の枝はこっちと決まっているからごまかせないんだよ。”

”でもこっちもさ1年半かかるんだよ” ”1年半.........”

道楽と言いながら、少しも楽な道ではない!

おじさんはしゃべりながらも手は止まらず、作品のメンテナンスに余念がない。

ふとまわりに目を移すと、総門あたりの大銀杏の木が見事に黄に染まっていた。

香取神宮銀杏の木
2020年 11月 総門と大銀杏

黄と朱の色彩の妙を奏でる香取神宮総門と大銀杏である。そこに、光と影が霜月の舞台を効果的に演出する。

玲瓏たる秋景色、街歩歓楽!やれ楽し、

*玲瓏たる(れいろうたる。意味:煌々と光り輝く様)

*この言葉使ってみたかったんです!それだけです。

追記

大鳥居神宮側より
2020年 11月 大鳥居神宮側より

参道を下りながら途途切に願わずにはいられません。

”世界中に猛威を振るう感染症が速やかに収束することを!”

funa

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